2018年08月26日

【MAU】生物学【課題2】

生物学 第2課題
「生物の多様性について、哺乳類を例に論じなさい。なるべく多くの哺乳類の種類をとりあげるようにして、「かたち」と「生活様式」を中心に述べること。」

レポートの参考にどうぞ。
全体的・部分的問わず、剽盗・転載はご遠慮ください。


 生物とは動物や植物の存在を指す。その数は百数十万種に上るとされ、その内動物は百万種以上いるとされる。本レポートではそのうち、哺乳類のもつ多様性に注目する。哺乳類の数は約5400種と、他の動物群に比べ多い方ではないが、生息する場所は非常に多彩で、そのために様々な形態を手に入れた。哺乳類が遂げた多様な変化とは具体的にはどのようなものか、海に適応した哺乳類、空に進出した哺乳類、樹上で暮らす哺乳類、草原で暮らす哺乳類、極地で暮らす哺乳類、砂漠で暮らす哺乳類、地中で暮らす哺乳類の以上7種類を検討し、環境と哺乳類の多様性を探る。

 第一に海に適応した哺乳類について記述する。これに該当するのはクジラ目と海牛目である。前者はクジラやイルカ、後者はジュゴンやマナティが該当する。クジラ目は最も水中に適応した哺乳類と言え、その姿は水中を泳ぎやすい流線形をしている。水中へ進出するうちに前足はひれ状になり、後足は退化し、現在の姿になったとされる。皮膚のすぐ下には分厚い脂肪層があり、これが体温の低下を防いでいる。水面にだすだけで呼吸ができるように鼻は頭の上についているのも特徴である。海牛目もクジラ目と同様に流線形に近い形態をしているが、全ての生活を水中で行うわけではないため、クジラ目のように高速で泳いだりする能力は無い。しかし脂肪層が厚く、前足がひれ状になっているなどの共通点が認められる。
 第二に空に進出した哺乳類について記述する。これに該当するのは翼手目、コウモリである。空を飛ぶという点ではムササビやモモンガといった動物も該当するが、これらの飛行は滑空であり、羽ばたくという意味で飛行ができる哺乳類はコウモリだけである。コウモリは飛膜と呼ばれるつばさを持ち、後足の股関節が通常の哺乳類と逆向きになっているのが特徴である。これは通常の向きだと、風を受けた時に後脚が後ろに曲がってしまい、つばさが裏返ってしまうためこのような変化を遂げたと考えられる。つばさのおかげで競争相手の少ない空間に進出することができ、適応放散することができた。
 第三に樹上で生活する哺乳類について記述する。これに該当するのは霊長目のサルや齧歯目のリスである。熱帯雨林の食べものの殆どは林冠にあり、葉や果物が一年中育っていることから、多くの哺乳類が樹上に適応し繁栄した。樹上で生活するサルは、物を握るための指がとても発達しており、母指対向性と呼ばれる親指とその他の指が向かい合う手の形をしている。これによって枝から枝へ移動することができる。リスも樹上で生活をするが、サルとは移動方法が異なり、かぎ爪を木にひっかけて登り降りをする。
 第四に草原で暮らす哺乳類について記述する。これに該当する哺乳類はライオンやチーターといった肉食獣の他、ウマやウシなどの草食獣がいる。肉食獣はより獲物を捕まえやすいように、草食獣は肉食獣から逃げるために、それぞれに特化した変化をした。肉食獣は獲物を立体的に認識できるよう眼は正面についており、草食獣はより広い角度を見て捕食者から逃げられるように側面についている。また、それぞれに指行性や蹄行性と呼ばれるより早く走るための特徴がある。
 第五に極地で暮らす哺乳類について記述する。これに該当するのはホッキョクグマである。極地は寒さが厳しく、生物が暮らすにはとても厳しい環境だが、ホッキョクグマは体温を奪われないよう保温性の高い毛皮や分厚い脂肪を持つことで適応した。末端部分は体温が下がりやすいことから手足は短い。また、他のクマ類よりも身体が大きいという特徴もある。これは身体が大きい方が体積に対する表面積が少なくなるため、寒くても体温を奪われにくいという理由があるためである。
 第六に砂漠で暮らす哺乳類について記述する。これに該当するのはラクダで、暑く乾燥した地域に住むラクダは、日差しから身を守るために脂肪や栄養分をコブにため込んでいる。照り返しを防ぐために手足がとても長いのも特徴である。また、その特殊な環境から、砂に沈まないように足の裏はクッション状になっており、砂から守るため、鼻の穴は閉じることができる。
 第七に地中で生活する哺乳類について記述する。これに該当するのはモグラである。土の中は捕食者に襲われにくく、湿度や温度が安定しているため比較的住みやすい環境である。モグラは穴を掘ることに特化した変化を遂げており、前足は穴を掘りやすいよう大きく横向きに、尾や後脚はトンネル内で引っかからないよう短くなっている。身体が柔らかく毛並みがないためトンネル内で容易に方向転換することができる。

 哺乳類は生き延びる為、獲物をより得やすい環境や競争相手が少ない環境に進出した。上記した7種のように、哺乳類はそれぞれ、様々な環境に自らを適応させるために、長い時間をかけ、生き延びるのに必要な能力・部位を進化させ、不必要な能力・部位を退化させた。その積み重ねが現在の多様な生物群を生んだ。哺乳類が遂げた多様な変化とは、様々な環境に適応した結果である。

<参考文献>
『新・ポケット版学研の図鑑 動物』千代延勝利 学研教育出版 2002
『カラー版徹底図解動物の世界』富永靖弘 新星出版社 2011
『動物の不思議』田村正隆 ナツメ社 2007
『世界哺乳類図鑑』ジュリエット・クラットン=ブロック 新樹社 2005


【オススメの参考図書】


徹底図解 動物の世界―哺乳類の進化から形態、行動、人間とのかかわりまで


前回に引き続きこちらがオススメです。
広く哺乳類の特徴や分岐について書かれています。
レポートに必要な情報はこちらの本で大体得る事ができると思います。
生物学の試験は範囲が広くて大変ですが、がんばってください!




posted by 水乃みのる at 10:58| 生物学(ムサビ通信)

2018年08月25日

【MAU】生物学「課題1】

生物学 第1課題
「哺乳類の任意の二つの目をあげ、それぞれの目の形態的特徴とそれから推測される生活様式を比較しながら論じなさい。」

レポートの参考にどうぞ。
全体的・部分的問わず、剽盗・転載はご遠慮ください。


 哺乳類は動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門に分類される生物群である。哺乳類は様々な環境に対応して、約5400種もの多様な変化を遂げた。これは他の動物群に比べ多いほうではないが、生息する場所は非常に多彩であり、地球上のあらゆるところに存在している。そのなかでも今回は肉食目と奇蹄目、ふたつの形態的特徴と生活様式について考察する。食肉目と奇蹄目の動物の共通点、違いはどのようなものか、下記のようにまとめた。

 まず哺乳類全般における共通の形態的特徴について確認する。一つ目は胎盤を持ち(単孔類をのぞく)、子供をミルクで育てるため、乳首やへそを持つという点である。二つ目は体毛が存在することで、三つ目は切歯、犬歯、前臼歯、後臼歯という異なる4種類の歯を持つ異歯性あることである。一部例外はあるものの、多くの哺乳類は以上三つの特徴を有する。ネコやイヌといった動物が分類される食肉目にも、ウマやバクといった動物が分類される奇蹄目にも以上の特徴は共通してみることができる。
 ではそれらの特徴を持った上で食肉目と奇蹄目はどのような特殊性を持つのか。変化が著しい部位三つに分け、第一に頭部、第二に手足、第三に子育てについて記述する。
 第一に頭部についてまとめる。頭部はこの二つの分類群を理解するのに大変分かりやすい箇所である。ここでのポイントは眼の位置と口内の構造に集約される。食肉目の動物と奇蹄目の動物では眼の付いている位置が大きく異なる。食肉目の眼は顔の正面についており、奇蹄目は顔の側面についている。これは食肉目の動物は他の動物を捕食するために、獲物との距離を把握し、立体的に獲物をみる必要があるためと考えられる。一方奇蹄目は捕食者から逃げるため、周囲の敵をより早くキャッチできるよう、視界が広く、目が横につけられている。同様に口内の構造、歯にも捕食者・非捕食者の特徴が強く出ており、食肉目のうちライオンやオオカミはとても犬歯が発達し、さらに上顎の第四前臼歯と下顎の第一後臼歯はナイフ状の裂肉歯と呼ばれる形状になっている。肉を裂いて飲み込むためのデザインであり、すりつぶす必要はないので裂肉歯以外の臼歯は小さく数も少ない。一方草食獣である奇蹄目は肉食目の動物とは逆に切歯と臼歯が発達し、臼歯は臼型に特殊化している。固い草や木の葉をすり潰して食べられるよう、ギザギザとした接合面に変化したと考えられる。
 第二に手足についてまとめる。奇蹄目はその名のとおり奇数の蹄をもった目であり、食肉目はするどい爪を特徴として持つ。食肉目であるネコ科やイヌ科にみられる、踵を上げ爪先で地面を蹴る走り方は指行性と呼ばれ、奇蹄目であるウマ科の爪(蹄)だけで走る走り方は蹄行性と呼ばれる。蹄とは草食動物にみることができる捕食者から逃れるための走行専用の器官である。早く走るためには五本指は不要であるため、蹄が発達した指だけを残して他の指が退化したのである。接地面が少ないほど歩幅が広がりスピードがでる。そのため爪だけで走っている動物は非常に早く走ることができるのである。ネコ科やイヌ科の動物も獲物を捕えるために早く走る必要があり、早く走ることのできる指行性の構造を持っているが、食肉目の最大の特徴は爪を鋭く武器として変化させている点である。
 第三に子育てについてまとめる。両者とも哺乳類であるから、子育ての形式は乳による育成という共通点があるが、その全容は異なる。食肉目は子供を一度に複数生む種が多いが、奇蹄目は1頭から2頭で、それも子供がかなり大きくなってから出産する。これは捕食者と非捕食者の生存戦略の違いである。食肉目のイヌやネコといった動物は敵に襲われる危険性が少ないため、ゆっくり子育てができる。そのため小さな子どもを数頭産む。同時に子供にミルクを与える必要があることから、乳首は腹面全体にあるのが特徴である。敵から逃げる必要がないので、母親は横になって授乳する。一方奇蹄目の動物はいつ天敵に襲われるか分からない状況である。生まれたばかりの子供は格好の的になってしまうため、彼らの子供は少なく、大きく育った状態で産み落とされ、一時間もしないうちに眼が開き立ちあがる。乳首は後脚の近くにあることが多い。これは捕食者が現れたらすぐに逃げられるように母親が立ったまま授乳するためである。こうすることで生き残る可能性を上げているのである。

 特殊化し現在生き残っているということは、その時々の条件に最も優れた形で変化したということである。食肉目はより獲物を効率よく手に入れるため、奇蹄目は捕食者から身を守るため眼や歯、足、子育ての方法を変化させた。形態的特徴は生活様式に対応するのである。このふたつの動物群は同じ哺乳類であるが、かたや捕食者、かたや非捕食者であり、その特徴は生活に必要な各部位に色濃く出ている。

<参考文献>
『新・ポケット版学研の図鑑 動物』千代延勝利 学研教育出版 2002
『カラー版徹底図解 動物の世界』富永靖弘 新星出版社 2011
『フィールドワーカーのための動物おもしろ基礎知識』熊谷さとし 偕成社 2006
『動物の不思議』田村正隆 ナツメ社 2007
『世界哺乳類図鑑』ジュリエット・クラットン=ブロック 新樹社 2005


【オススメの参考図書】


徹底図解 動物の世界―哺乳類の進化から形態、行動、人間とのかかわりまで


これはかなりオススメ!
動物の特性や進化の理由などが物凄く分かりやすく書かれています。
ムサビの生物学の教科書は図鑑ですから解説本が必ず必要になりますが、これは内容・範囲的にもピッタリです。試験対策にもかなり使えます。





posted by 水乃みのる at 12:10| 生物学(ムサビ通信)